2014年10月27日月曜日

クロモリ回帰、エクタープロトン。

初めてロードバイクに乗った頃にはすでにカーボンが台頭し始めていた時代。
アルミかカーボンがレースシーンを席捲していた。

10万円のロードバイクにも手が出なかった自分は、ネットオークションでボロボロのクロモリバイクを手に入れた。それは高校生の時に親にねだって2万円はしてなかった代物だったと思う。
タイヤは使えず、バーテープも化石のように固くひび割れ、触ればボロボロと崩れ落ちた。

チューブラータイヤというものに四苦八苦しながらも、自分で交換の方法を覚え、バーテープも自分で巻いたりしながらなんとか走れるようになっていった。
今思えばかなりレベルの低い処置であったけれど、走り出すにはそれでも十分だった。

御徒町にある有名ショップに行ってみたら、今は仕事を引退されてしまったTさんは親しみやすい人柄で、僕の古いロードバイクでもイヤな顔せず調整してくれた。綺麗なショップに持ち込むのが申し訳なくて、自分でやることの方が多かったけれど、練習環境やチームを紹介してくれて、僕の世界はぐっと広がり始めていった。

自分の乗っているロードバイクに、練習会では必ずと言っていいほど驚かれた。
錆の浮いたクロモリフレームはすでに生産していないNISHIKIという日本ブランド。それこそ自分が生まれた時にできたようなフレームだったと思う。
7800デュラエース、手元で変速できるSTIレバーで10速という時代の中で、ダウンチューブに手を伸ばして変速するダブルレバー。7速のシマノ105。

そんなボロのバイクでも周りの人たちよりも速く走ることが快感だった。
自転車を始めるきっかけとなったシャカリキの主人公テルもコンポーネントは105を使っていて、彼はSTIタイプだったけれど同グレードということに「言い訳無用」と自分を言い聞かせた。
レースへの参加が本格的になり始め、アルミやカーボンといったフレームに乗るようになった。それは古いクロモリフレームとは全く違う走りを提供してくれた。その時にはまだ、クロモリフレームにピンからキリまであるとはつゆ知らず、クロモリはもっさりしたものだという思い込みもあったりした。

「同じ値段を出すのに、重量の重いクロモリフレームに乗るのは馬鹿げてる」

それは本当につい最近まで僕もそういう風に考えていた。
クロモリの自転車には愛着もあるし、嫌いではない。でもレースのためのフレームじゃない。

そういう考えになっていた僕のもとに、クロモリフレームは再び戻ってきた。

寒川君が居て、彼からエクタープロトンという大阪のクロモリオーダーフレームを知る。 
最初に乗ったときは「まぁこんなもんか。悪くないけど、ちょっと重いかな。」程度の感想だった。

レース会場やお店、練習の時にたくさんの自転車に乗らしてもらう機会があって、乗り味の記憶が蓄積していった。
硬さを求めたフレームもあったし、コストを安くしすぎてフニャフニャしたフレームもあった。
その中で、エクタープロトンは他では中々ないバネ感の強いフレームがとにかく気持ちよくバイクを進めてくれた。

バネ感といってもイメージが掴めないかもしれない。
フレームがしなるとパワーロスするというイメージが強いけれど、しなった後の動きで全てが変わる。
ペダリングによってフレームがしなった後に、フレームは元の形状に戻ろうとする。この戻ろうとする力がフレームの底の深さを表現するバロメーターのように思うようになった。
この戻ろうとする力が、新しく踏み込む方のぺダリングの力をアシストしてくれる感覚。
右足で踏んだ分が戻るときに、左足が吸い込まれる。次は右足。フレームが振り子のように揺れるのに合わせて漕ぐ。

そうすると、とっても気持ちよく進ませてくれる。 
これと似た乗り味はごく一部のハイエンドなカーボンフレームでしか味わえていない。
積み重ねてきたものがあるから、どのフレームの振りにも合わせることはできる。
大きな力を入れないとたわまないフレームもあれば、しなりの戻りが遅いフレームもある。どちらにせよ、合わせると疲れるのが本音になる。

対して橋口さんの作るエクタープロトンは、"合わせる"感覚がない。自分が思ったように踏めば、それに応えてグイグイ進んでくれる。エクタープロトンは今まで何台も納車してきたけれど、1つとして外れは無かった。全部気持ちよく走るフレームだった。

だからこそ僕は再びクロモリフレームへの回帰を決意した。

ある程度の重量まで軽くなってくれれば、フレームの重さはカバーできる。
コンポーネントは新型のデュラエース9000を組み付け、重量はカーボンホイールを履かせると7.3kgほどで仕上がる。アルミのホイールでも8kgを割る重量で不満はない。この重量ならレースでも戦うことができる。
エクタープロトンの実業団デビュー戦となった伊豆修善寺の東日本ロード。今まで苦い記憶しかない修善寺CSC。
完走もままならないコースをあえて選んで出走することにした。

レースはいきなり落車に巻き込まれてしまって苦戦を強いられたものの、きっちりと完走につなげることができた。成績からすれば大したことはないのだけれど、僕の中では十分な結果だった。

それ以降もどんなライドでも、ゆっくりのロングライドでも気持ち良く乗らせてもらっている。
今まで乗ってきたバイクの中で一番気に入っている乗り味で、愛機と呼ぶのに相応しい。

まるで自転車の神様に導かれるように、今も昔もクロモリフレームと共にある。
今、市場に出回っている95%のカーボンフレームよりもエクタープロトンの方がいい。
カーボンも決して悪いものではないし、むしろ好きだ。

けれども、乗る人間としては常に気に入った一番ベストなものを使っていたいのだ。

2014年4月4日金曜日

LIVING OR DEAD

たぶん、この中のひとつは僕のためのもの。
たぶん、上から3番目あたり?

"僕のため"に色んな人が動いてくれている。
こんなに嬉しいことはない。
4月、5月、6月、いろんな話がまとまってやってくる。
正直やばいかもって思ってるけど、なんとかなるっしょって思う楽観的な自分が半分。
大丈夫なんかそれでって感じ。
でも成るようにしかならないし、成せば成るし、とりあえずやってみてダメだったらその時考えようっていうダメな感じ。

それでも期待される何かがあるから今はそれに頑張って応えたいと思ってる。
頑張ってみた先に自分の成長もあると思う。

周りが"僕のため"に動いてくれている。
僕も"周りのため"に動いていたい。

「俺の身体をみんなに貸すぞッ!!」
今はただそうする事しか僕にはできない。
今年も既に1/4が終わった。毎日精一杯生きてるのは自転車のおかげ。
暖かくなってきて、自転車がとにかく気持ちよくなってきた。

2013年11月29日金曜日


自転車は、国境、人間性、年齢、性別、いろんなものを飛び越えて人と人をつなげるツール。

「自転車好きな奴に悪い奴はいない」と思ってはいるのだが、みんな意外と自転車そこまで好きじゃないのが残念である。

ひとえに自転車と言っても方向性が様々過ぎて難しい。

そりゃあロードバイクでヒルクライムで頂点を目指すのとダウンヒルで頂点を目指すのでは全然考え方が違うから、そりゃ衝突しないわけがない。
でも本気の人同士ならどこか分かり合えるところがある。そんな感じ。

自転車で走っている時に、同じく自転車乗りを見つけると声をかけてしまうこともしばしば。

そこから発展していった人間関係も数知れず。

自転車がなかったらあり得ない。

自転車すげぇ。

自転車が好きなら、いや、自転車に乗っているときなら普段嫌なやつでもそれほど嫌には感じない。

感じないというか、そう思いたくない。

自転車の上くらい、普段のしがらみから解放されてもいいじゃんと思うのであった。

2013年8月14日水曜日

夏の終わりが近づいている

1年は早いな~。
なんて思いながら過ごしているが、毎年どんどん早くなっていく。
もっともっと1日を濃くしていかないと。


スポーツにしても何にしても、先ず戦う相手は自分。
そして他者。

タイムがどうとかパワーがどうとかって言う人は多いけど、
実戦は"対人戦"。

自分も人だし競合者も人。

自転車で走っている人は車を"車"と思っている人が多いけれど、
運転しているのは"人"。

人と人。
もっとそういう意識があっても良いなと思う次第。

2013年7月14日日曜日

夏は最高

いい部屋にめぐり合えた喜び。

ごはんがおいしい喜び。

自転車に乗れる喜び。

仕事がちょっとうまくいったときの喜び。

小さいことだけど、そういうちょっとした所に喜びを感じるんだ。