2017年2月15日水曜日

ペダリングとポジションの関連性についての考察

今回は珍しく自分の日記ではなく他の人たちへ向けてのブログを書く。書きます。
ロードバイクに乗り続けて10年以上が経ち、ショップの人間として、レーサーとしてたくさんの自転車乗りを見てきた中で思ったことや見えてきたことを元に、少しまとめてみようと思った次第でした。
正直なところ本にして売りたいような気持は無きにしも非ずですが、科学的な研究でもないし、あくまで僕自身の経験を基にした内容なので信憑性は正直なところ不明。
本として出版したら手に取って読んでくれる人も少ないだろうし、先ずはブログで一発ブチ上げてみて反応をみつつ、少しでも参考になったら嬉しいなと思います。

 ペダリングとサドルポジションは切り離すことのできない関係

サドルの位置やペダリングについて答えがあるか?と問われれば、いろいろな所で言われているように答えはNO。それは何故か、体格も違えば身体の柔軟性も違う。そしてバイクも違うので求められる漕ぎ方が異なるのは必然的。研究する時間や費用があるのであれば、バイクのしなり方やホイールのしなり方を含めた自転車の推進を比べてみたいところです。


自然と漕ぎやすい状態を求める

ママチャリを卒業してロードバイクに乗り始めたとき、サドルの高さに驚いた人も少なくないはず。そしてサドルが高いことによってとても漕ぎやすいと感じた人もたくさんいると思います。
スクワットやレッグプレスをしたことがある人はイメージして欲しいのですが、足は屈伸が強すぎては力が入りにくいですよね。サドルが低すぎても漕ぎにくいし、高すぎても漕ぎにくい。
サドルの高さは後半に触れますが、まずは一気に本題に入ってサドルの前後位置について踏み込んでいってみたいと思います。

上の写真は関西でその名を広めている平地マン選手。
身長は178cmと日本人としてはまずまず高めですが、先日バイクを組ませてもらったことで足の長さは欧米人ほどではないということが分かりました。
ですが、そこそこ身長と股下の長さがあるおかげで気持ちよく踏めるポジションに収まっているなと思います。

パワーをかけやすいく、回しやすいのはとにかく前乗り

モガいたら自然とサドルの前に座っていますよね。そうでない人は恐らく太ももが長い人だと思います。
写真に線を入れてみました。赤色の線はヒザのライン、緑色の線はペダル軸のラインです。ペダルが一番先端の3時(向きが逆なので9時)の位置に来ている状態です。
色々なところで見たことがあると思いますが、ペダルより前にセッティングしろという記事。このヒザのペダル軸の位置関係こそが気持ちよく漕ぐひとつのポイントだと思っています。
非常に体重を乗せやすく、腰の位置関係も含めて足は回しやすいはずです。
特にタイムトライアルをしている人の写真を見るとわかりますが、極端に前に乗っているのがわかります。トラックなんかも似たような位置ですね。
バイクの安定を求めないのであれば、前に乗った方がとにかくパワーが出る上に綺麗にペダリングはしやすいのだと思います。 
漕ぎやすさに合わせてサドル位置を合わせすぎている人たち

サドルの位置をどうやって決めていますか?漕ぎやすい位置はこんなもんかな~とほとんどの人が適当だと思います。微調整して細かく拘っている人はたくさんいますが、明確な基準を把握している人はあまり見かけません。というか聞いたことはありません。

誰からも指導を受けなかった人たちがたくさんいます。
そんな人たちが陥るのはさっき挙げたような漕ぎやすいポジション。前乗り、サドル高めです。パワーは確かに出ていますが、ロードレースとなれば話は別で割と危険です。
集団内では協調が求められるのがロードレースで、不安定な走りは全てのレーサーにとって厄介な危険因子です。
そこで生まれてきたのはサドル後退量5cmルール(実業団を走る人は必須の学習項目)。シクロクロスを走っていて感じましたが、バイクは後ろ荷重で乗ってあげた方が真っすぐ走りやすいです。安定しやすいと表現しましょうか。
特にホビーレースではルールのしばりもなく、指導を受けたことのない人たちの巣窟です。バイクコントロールのスキルも低く、当然危険度が高いのは初級者~中級者のレースとなるわけです。更に、スキルに対して勝ちたいという気持ちが先行しているので無茶をして最終的にクラッシュというシーンは毎レースで見かけるものです。 
話をサドル後退量5cmに戻します。

足の長い平地マン以上の人たちにとって5cmはなんら問題のない長さです。対して足の短い人や身長の低いたちにとって、この5cmは致命的に険しい問題です。身体的特徴により(略)というルールの措置はありますが、基準があいまいなので今度確認したいなと思っています。

写真の選手は身長168cmぐらいの選手です。身長は適当ですがそのぐらいだったと思います。集団から飛び出てそこそこ踏んでいるタイミングです。当然のようにペダル軸と膝の位置がほぼ同じ位置まで来ていますね。これはもう人間の摂理と言えるほど、皆踏み込むときはこのように漕いでいます。

平地マン選手とは一つ違う点がありますね。それはサドルに座っている位置。赤丸で囲っている部分を見てもらうと分かりますが、サドルの先端に寄って座っています。
これはもう身体的特徴によるもので間違いない状況です。
太ももの長さが短ければ、その分ヒザを出すため前に座らなければいけない。けれどサドルの位置は後ろ気味につける必要がある。という経緯で起こる現象です。
(極端な話をすればサドル高を2~3cm下げてしまえば解消できる問題ですが、また別の問題も起こるのでそれはまたの機会に・・・。)

3時の位置で踏むことにクランク長が関係してくるのですが、長ければ長いほどサドルの前に乗ることを強要されるでしょう。そう考えると日本人は足の長さに対してクランク長が長すぎるように思います。クランク長を今まで使っていたものから変更することには慣れが必要ですが、適切に回すのであればショートクランクにすることは一般サイクリストにとって不都合はないように思います。クランクが短くなれば、無理な前乗りは減らせるという理屈です。

黄金角、150度
黄金角と呼ぶにはちょっと大層ですが、いろいろな人たちのフォームを見させてもらって見比べてきました。その中である程度の競技レベルで走れる人たちの多くはこの150度前後の角度で収まっている傾向がありました。
足が一番伸びきるポイントの下死点でヒザを中心とした角度です。
前半のレッグプレスの話ですが、伸びきるのに近い状態では4~8時までのペダリングにほとんど力はかかりません。
そこに力をかけないペダリングを極めれば話は別ですが、パイオニアが言っているペダリング効率を高めることに損はないでしょう。オーシンメトリックなどの楕円リングを使うとまた少し違ったペダリングにはなりますが。

※上の写真の選手のポジションはロードレーサーとしてはちょっとサドルが前めで高めな印象です。クリテリウム向けなセッティングでしょうか。
全体的な安定感も求めるのであれば、もう少し後ろ乗りにも対応できるサドル位置にしておくとベストかなと思いました。
サンプル選手その2のこの方も角度は150度程度のサドル高に収まっています。

少し難しいかもしれませんが、かかとの位置も重要です。足の150度の角度はほぼすべての人がなっている角度ですが、それを実現するためにカカトの位置が変動しています。
この写真の選手は綺麗なカカトの位置ですが、サドルが高すぎる人は下死点でカカトが上がっています。逆に下がっている人はサドルが低めなように思います。
こちらの選手はカカトが上がり気味なのでサドル高めのセッティングだと思います。それが悪いというわけではありません。
漕ぎやすいポジションを求めるだけではサドルを上げ気味になってしまう傾向があります。何故かと言われれば股関節や足首の柔軟性が一番のポイントで、関節を深く曲げれないため伸ばし気味のポジションが漕ぎやすいとなるわけです。

この選手は非常に綺麗なフォームです。股関節や足首の柔軟性がほどよくあって、ペダリングに無理がありません。
柔軟性が高いことによってサドル高は上げすぎずに済み、しっかりと座れるサドル位置が実現できています。できることなら多くの人にこのフォームに近いポジションを目指して欲しいと思っています。
サドルが高すぎることで骨盤が安定せず、パワーを出し切れていない選手はたくさんいます。体重を左右に振りながらパワーをかけていますが、馬力は長時間維持できていない人が多いでしょう。
更に、日本にはヒルクライムの人気があるため前乗り高めのポジションがマッチしやすい状況です。登りは良いが下りが良くない、そんな人はサドル位置の影響かもしれません。

結論、何が伝えたいか
速さを求めることはとにかく練習しかありません。どんな汚いフォームでも練習さえすれば速くなります。
ただ、パフォーマンスを最大限発揮したいのであれば、自分の力の出し方を把握することは大事だと思います。身体の使い方を頭で理解した方が絶対に良いはずです。
気持ち良いポジションで乗ることは必要なことですが、サドル位置の座り方で漕ぎ方がどう変わるかを把握することを一度経験して欲しいと思っています。

何も考えずにサドルの高さを下げたところで漕ぎにくいだけだと思います。そうではなくて、サドルの位置が変わった時にどうやって漕ぐと力が入るか、どうやって自転車が進むのか把握できるまで吟味しながら乗ってみて下さい。トップ選手はある程度どんなバイクに乗っても走らせ方を解っているのは自分の適切なポジションを把握しているからです。(レースでアシストのバイクに交換した際など)

楽なポジションについて何も考えずに求めてきた人は、一度どこまで後ろめ低めのポジションができるかチャレンジしてみてはどうでしょうか?
後ろ乗り、前乗りそれぞれの乗り方を把握できれば自分の中の走りの幅が広がるように思います。

終わりに
今回紹介した内容からズレている人はやはり無理のあるポジションで乗っていると思います。特にサドル高が影響させているサドル前後位置を理解している人はかなり少ないでしょう。
その辺りを踏まえてもう少し伝えたい部分はありますが、変えていきたいと思った人は直接相談して頂ければ答えられる範囲で答えていきたいと思います。
フィッティングを行う場合は、僕も時間が取られてしまうので無料というわけにはいかないと思いますが(汗)

写真:くりりんさん

2017年1月26日木曜日

Trip

EXTAR PROTON 2016ver

21世紀とは思えないこの中古のロードバイクが僕の初めてのロード。
いきなり300km走ったりした。

ロードバイク3台目で早くもオーダーのクロモリフレームに手を出した。
地元つながりということで、LEVELでフルオーダー。
この時にオーダーを経験したことは今でも活きている。体重に合わせて非常に軽量に仕上げてくれていた。
2008年から実業団レースに登録。

アメリカ製のキャノンデールは個人的に好きだった。(ホイールは借り物)

ぶっちゃけそこまで成績も出ていなかったけれど、レースには積極的に取り組んだ。

気が付けばロードバイクに乗り始めてから10年以上が経ち、チームに入れてもらう側からチームをまとめる側になってしまった。

先頭の3人はSAUCE DEVELOPMENTのメンバー。
僕が皆に対して「こういう動きをしてみよう」という提案をして、ちゃんと動いてくれたシーン。

自分が所属する側だった時に、ここまでトライする環境は無かった。
基本的に一人でレースに参加することが多くて、それはそれで得るものは多かったけども、こうやって仲間と一緒になって遊べることは倍面白い。

 "人の生は何を成したかで決まる"

皆は人生で成したい何かがありますか。
僕はレーサーとして大成することは叶わなかったけれど、それなりに頑張ってきた経験値を下の世代に伝えることはできる。そして自転車屋という職業を通して、環境に苦しんだ過去の自分のような子たちに僅かながらでも手を差し伸べることができる。

それはとてもとても小さな変化かも知れないけれど、僕の大好きな自転車という世界を広げ、より高いレベルへと繋がるピースのひとつでありたい。

自分のことでも同じ。
今までの人生、子供の時から生まれもった自分の環境をただ恨んだ。
自分が悲しんだこと、苦しんだこと、まだ全てが清算し終わったわけじゃないけど、ちょっとずつゼロに近づいてるかなって最近思う。
もうちょっと頑張ってプラスにできたら良いなと思う。
その時に初めて責任を持って自分の子供が欲しいと言いたい。まだ人生は長いけど、思ってるよりあっという間に過ぎていくと思う。
自分のためより後世のために、自分ではない誰かのために。その方が自分は頑張れる性格かなって感じがしている。

2016年4月5日火曜日

背中越しにセンチメンタル

2016年も4月になってしまいました。
4/3には舞洲クリテリウムに参加して、日を同じくして「NoonTracks」というイベントもありました。
そのどちらもでSAUCE CYCLEの自転車を公開、展示して好評を得ることができました。

というお仕事の話。

舞洲クリテ、E2-1組目。

E2にはゲンタツさん、アキオ君に自分と3名がエントリーしていたのだけど、僕は一人の組にあたってしまった。(ゲンタツさんとアキオ君は2組目)
そして、圧倒的な力を持っている岬町クリテで昇格してきた平地マンこと設楽君(ネクストリームうどん棒)が同じ組にいる。

正直、春が近づいて仕事が忙しくなってきたかな~っていうのもあったり、あとは精神的にあんまり調子が良いとは言えなくて、西チャレで5位に入ってからというもの全く練習ができてない。

西チャレから舞洲までの3週間。
まともに乗ったのは岡山からスーパー高校生K(春から社会人)と走った2日間だったかな。
それも千切られまくってボロボロだったんだけど・・・。

なんで必要以上に忙しかったかというと、やっぱりTRITONの企画を進めてたからかも知れない。
正直書ききれると思ってないから簡潔に書くけど、これが僕の求める最高のクロモリロード。

It's my Baby。
自分の子供が生まれたような気持ちでできあがったフレーム。
願うなら色んな人に乗ってもらって、色んな人が「良いね」って思ってくれるバイクだったら嬉しいな。
そのためには色んな人に知ってもらわなきゃならん。
ということで昨年のうちから三上君と相談を進めながら、彼から「クロモリで走る」と言ってもらえて鬼に金棒。宣伝担当にこれほど頼もしい人はなかなか居ない。

塗装屋さんからレース前ギリギリでなんとか仕上げてもらい、僕も合わせて急ピッチで作業をする。
木曜日の晩に納車して、三上君にはニューバイクを慣らす時間は土曜日しかなかった。

ほぼぶっつけ本番とも言える状況で、三上君はE3で入賞。
そして三上君のTRITONを急遽レンタルして走ったアキオ君はE2で2位。昇格。

やったぜ。


他にもE1ではアタルちゃんがTT、クリテとダブル入賞。大分から遠征してきた高校生のフクベ君もE3で2位に入り昇格。
SAUCE DEVELOPMENTは自分含めて5人が入賞する快挙で万々歳。
本当にありがとう。

話を戻して自分のレースのお話。

練習をまともにしていない自分の作戦は3つ。
・プランA - 最後まで温存してゴール勝負
・プランB - 平地マンの逃げに乗っかて一緒に逃げる(たくさん引いてもらって優勝は譲る)
・プランC - どこかのタイミングでアタックして場を盛り上げる

プランC、した所で逃げ切りは厳しいし、体力の消耗も厳しいので即却下。作戦はAかBというのはスタートの時にすでに決めていた。

AVELのレジェンド阿部店長と一緒に最後尾からスタート。集団にいるとインターバルが無駄にかかるので、様子をみながら少し離れながら一定ペースで身体を温めながら走る。
序盤で落車があって絡まりそうになったけど、転びはしなかったのでそのままレースを続ける。

7周ごと?のスプリント賞は全捨て。最後に賭ける。集団のケツで悠々と走りながら周回をこなす。
全25周回もあるし、ラスト10周からポジションを上げていくとレース中に決定。
うまいことレースが進んでいるなと思っていたら、半周先に平地マンが単独で逃げている。なんてこった。笑

集団が追走する気配も無く、既に追いつけそうもない状況。やっぱりゴール勝負だ。(2位狙い)
周回数が5・・4・・3・・2・・1とカウントしながら最終周は10番手ぐらいで入る。
スプリント力の無い僕が入賞するとすれば、バックストレートが勝負。

先頭まで出きらない所で狙い澄ましながら、バックストレートが半分近くなるまで粘る。
ちょっと早かった気もするが、集団がお見合いした瞬間にアタック敢行!

最終コーナーに知り合いがたくさんいて、めっちゃ湧いてる。これはいいぞ!と思いながら突っ込んでいくとまさかのコーナーでミス。膨らみすぎた。
そこで2名にパスされスプリントで粘るも、一人に刺されて4番手ゴール。1位で平地マンが先にゴールしているので順位は5位。

(写真はシクロワイアードより。photo by 辻啓)

E1で長いこと走ってた気がするけど、BR-3、ER、BR-1とか色々カテゴリーの名称に変化はあったものの、振り返ってみると実業団レースでちゃんと入賞したことは無かったな~。

レースの内容的に、先頭に立ったのは本当に最後だけで、他の知り合いや仲間たちの熱い走りを見ていると胸が苦しくなるような内容のレース運び。
でもSAUCEの入賞数を増やしたかったし、とりあえず昇格したかったし、今できる体力で最善の走りをしたつもり。
他にも集団で足を溜めてる人は何人も居たし、最後だけはしっかり頑張ったと思ってもらえたら嬉しいです。

いつもの感じだと1年か2年に1回ぐらいのペースで入賞ってのが最近の感じだったけど、今年は代走の堺浜クリテの入賞、西チャレの入賞、そして舞洲の入賞で3連チャンで入賞。

速くなった実感も無いし、練習もできていないし、この好成績は自分にとって出来過ぎか。AACAで色々トライできてるおかげかもしれないし、走りのセコさが増しただけかもしれない・・・・。
優勝するような真の強者とは違うけど、それでも運良く入賞できてることはやっぱり嬉しいな。

チームも盛り上がってる、自分も入賞できて嬉しい、仕事も悪く無い。
でも、胸にポカンと穴が開いてしまった春でした。




声にならないけれど あなたの名前 呼んでみた

2015年12月2日水曜日

シクロクロス


野辺山に来た。
自身2度目となるスーパークロス野辺山。
ちなみに1回目は2013年で、それほど良い走りはできなかったので相性的な印象はよくない。

そしてこの大きなお祭り、シクロクロス自体の盛り上がりも感じてちょっと振り返りたくなった。

「オフロード」との出会い。

(2011 由良川)

それは2011年までさかのぼって、僕が大阪の地にやってきて半年ほど経ったとき。

「ロード一辺倒」と言って微塵も間違いのない自転車人生だった僕には、ストリートカルチャーもオフロードカルチャーも無く、特にオフロードは本能的に近寄りたくないぐらいだった。
2011年っていうタイミングは、国内でシクロクロスが爆発的に盛り上がる直前と言えるぐらいの時期かな?

「とりあえず乗ってみてよ!」と近藤さんから気軽な感じでイギリスのSingularというバイクを乗らせてもらえる話を頂いたのが僕のオフロードの始まりである。

初レースのレポート、そして同レースに参加していたTKCproductionsのテイスケさんのレポートを今振り返ってみても面白い。
オフロードでビンディングシューズすら恐かった自分はスニーカーで走り、トップから遅れること3分の13位でゴール。テイスケさんは6位と上々で、実はこの時から未だシクロクロスのリザルト上で勝ったことがないので早く追いつきたいと常々思っていたりする。
(2012-2013 堺)

最初の11-12シーズンは先の由良川のレースに出て、堺にも出たけど全然ダメだった。笑

翌年12-13シーズンからムーブメントジャージでレースデビュー。くろんど池で目標の3位入賞を果たして、堺で昇格するための段取りは整った。
念願の地元レース堺ではロード用のRolfのカーボンまで投入してC3で優勝することができた。写真はシクロワイアードに掲載されたやつ。
(その時2位だった井上君をトレーニング指導してプロツアーまで昇格させるとは微塵も思わなかった)

(2013-2014 マキノ高原)

C2に昇格して浮かれていた自分に現実を突きつけられたシーズン13-14。

そもそもオフロードをしてこなかったのは何故か?
興味が無いからではない。それは自分が絶対に苦手だと本能的に感じていたから。

C3レベルでは自分程度のパワーでもなんとかなったが、C2からはそう簡単にはいかせてくれない。
(2013-2014 野辺山)

「シクロクロス」というものは、誰でも楽しむことができる自転車イベントだと思う。

しかし、マウンテンも含めて上を目指す者に突きつけられることが何となくある。
オフロードは実力を騙すことができない。

無論、オンロードよりも体力が消耗するのがまず第一。
ロードバイクのように集団を利用して体力を休めることもまず出来ず、休めるようになるにはコースを上手く走るテクニックが無いと体力を消耗するばかり。
基本的に周囲の中をうまく立ち回ってロードを走っている自分からすれば、「体力が無いのがバレるではないか!」という状況。

そして目まぐるしく変わる路面状況、砂、砂利、泥、草。
バイクのセッティング、例えばタイヤの空気圧をどの程度にするかで天と地ほどの差が出てしまう。
オフロード経験の浅い自分には毎戦が手探りだった。
荒れ狂う路面でもバイクをコントロールするフィジカルが求められる。

体力(フィジカル、パワー)、頭脳(判断力、精神力)、技術、機材。

自転車に求められる全ての要素が必要とされてしまうのがオフロード競技なのだと思う。
だからこそオフロード出身の選手は基本的に強い。

自分が弱いことをわかっていたからこそオフロードに踏み入れることができなかった。

(2013-2014 桂川)

現実を受け入れられないレベルで不振だったC2初シーズンは、C3降格すら濃厚だった。
相性が良いのかわからないが、最終戦の桂川で1発で残留が決まるというミラクル。

レースに出るからには最善を尽くしたいと思う性分から、ホリさんのバチバチに組まれたカーボンフォークのExtarprotonを借りて出たのだけれど、めっちゃ良かったのはレースのリザルトも物語っているような気がする。ロードでもシクロクロスでもなんて気持ち良く進むのだろうか。

使わなかったシンギュラーに心が痛みながらも、機材に対する探求も深まってくる。

14-15シーズン開幕前夜あたりで新しいバイクを組み上げた。こっちのブログで紹介するのは初めてだったかもしれない。


MADE IN USAのカスタムビルドフレーム。
ナイトーさんから紹介を頂いて自分用に1本オーダーさせてもらった1本。
これもまた、自分には勿体ないぐらいの綺麗なフレーム。
しかも、現地のチーム"Stampede"のカスタムカラーというフレーム。もちろん他に日本人ライダーが所属しているわけでもなく、日本にこのカラーリングを乗っているのは自分しか居ない。

この幸福感も感じつつ、この貴重なフレームに乗れることが少しプレッシャーでもある。笑

そして最後に紹介すると、MADE IN USAだからと言ってオーダーが難しいことが全く無い。
何故ならばビルダーのNaoさんは日本人であるから!もちろん日本語でやりとりができる。

日本人らしい(その中でも特に人間性を感じる)繊細なフレームビルディング。
正直なところ、他の日本人ビルダーを見てもここまで"美"と"機能"を感じさせてくれる人はいない。


(2014-2015 岬町)

ニューバイクにはテイスケさんがサポートしてくれたGevenalleのコンポーネントを付ける。
こちらからTwitterで使わせて欲しいとアピールしたところ、奇跡的にサポートしてもらうことができた。ありがとうございます。

軽さやトラブルの少なさ、そしてフレームに見合うカッコ良さを考えていたらたどり着いた結論がそのギブネール。賛否両論のあるシフター構造だけど、自分にはとても合っていてサポートしてもらう前よりも格段に気に入って使っている。

どうしてもシルバーのクランクを付けたかったので、それに似合う貴重なレバーでもある。
(2014-2015 桂川)

ニューフレームにニューコンポ。
そんな恵まれたシーズンであったにも関わらず成績は全く振るわず良い所なし。
ろくにレポートを提出できる内容すらない。

そんな自分に対してナオさんもテイスケさんも苦言すること無くシーズンが進む。
プレッシャーしかない。笑

前シーズンと殆ど変わらない残留権が中々取れない展開の中、結局また桂川で1発残留を決める。2年連続なので「もう桂川だけでいいやん!」、「ミスター桂川」とまで言われ始めるなど。

追い詰められたので"寒くてもレースでは半パン"等のこだわりは目をつぶり、ネックウォーマーまでして走った。
タイヤも泥でグリップが強すぎたWTBのタイヤではなく、フロントだけパナレーサーのCG CXのクリンチャーで走るなど兎に角こまかい事までこだわった結果があったと思う。(リアはWTBのまま)

その後のさぬきクロスではC2で表彰台目前の4位になって、気持ちよくシーズンを終えた。
 

そして2015年の幕開けをスーパークロス野辺山で迎える。

ランダムで選ばれたスタートリストではゼッケン203。最前列スタートだ。
この方まだC2で前列スタートをしたことがないので、無駄にプレッシャーを感じてしまう。

シード権が無いので、いつも後方から追い上げるばかりのレース。
先頭から出たらどれだけ楽にレースが走れるだろうか?
いきなり表彰乗ってしまうだろうか?と妄想ばかり膨らむレース前。


「ゼッケン順だから落ち着いていっても大丈夫」という謎の過信から、レース直前にトイレに行っていたことが裏手に出てしまい、まさかの整列終了。最後尾スタートが確定してしまう。

念願の先頭スタートチケットは消え去り、結局いつもの状況。

逆にプレッシャーは吹き飛んで消えたかも知れない。
SAUCE DEVELOPMENTのチームメイトである愛知のコジマ君も最後尾スタートだった。
一緒に頑張ろうと話ながら、いざスタートしたらパワフルに集団を縫ってどんどん順位を上げていく。もちろん僕はそれは見守りながら自分のペースをキープしてサヨナラ。
コジマ君は見えないところまで順位を上げていった。
あまりにも多い声援。
愛知のサークルズのメンバーや、SNSでのいろんな知り合いが「頑張れ!」よりも「何やってんだ!」、「本気出せ!」など激を飛ばしてくる。
余程酷い罵声でなければ声援をもらえるだけで頑張れる性格なので、楽しくて仕方が無い。
ここまでニヤけて走っていたシクロクロスは初めてかも知れない。
本当にレース直前までタイヤの空気圧などは迷った。

得意の舗装路で勝負するために高めで行くか、苦手なデコボコを走りやすくするために低圧でいくか。とにかく迷った。
2気圧を切る低圧にすると、チューブレスのエア漏れのリスクも高くなるから不安材料は多い。

適当に決めたけど、多分1.6気圧ぐらいで最終的に決まった。
舗装路よりもコーナーやデコボコの方が多いから、そこをなんとかしなければならないと。
前回の野辺山はフライオーバーでやらかしてしまいレースをダメにしたが、今回はそうならないパーツアッセンブルになっているから安心して突っ込めた。出口のところが走りやすくなっていたのもあって落車する人も少なかったね。
マイペースで順位を上げながら、ガッチュさん、間野さん、ブルーラグの人らを抜いていく。
すると先にはシャカリキ京都のオグーさん。何かと人気のあるオグーさんは憧れの対象でもある。
しんどそうだったので「今日は調子が悪いのかな?」と思いながら数コーナーを経てパス。
今日はオグーさんに勝てたから良いか!って思ってしまう。

すると次にはSNSでの知り合いの浅香さんに追いつく。2年前の野辺山のゴールで競り合ったので、今回も負けるわけにはいかない!と内心思っていたり。
その更に先に進むと、一緒にスタートしたはずのコジマ君がいるではないか。
どうやら落車してペースが落ちていたみたい。だけど簡単に抜かせてくれるほど遅くもない。

むしろ低圧にしていたタイヤのおかげで、舗装路の上りであっという間に離されてしまう。
でも今回はタイヤの調子がすこぶる良かったのでオフロードであっさりと追いつくことができた。
前回の野辺山で散々苦戦していたコーナーも今回はかなり改善した走り。
それが何より気持ちが良かった。
バイクコントロール、体重移動、タイヤの選択、空気圧。
いろんな要素が重なり合いながら、それら全てが上手く回り始めているのを実感できた。

と言っても、試走でザック・マクドナルド選手の後ろを走っていたら見事にひっくり返ってしまったのでタイヤの空気圧だけでなくバイクコントロールなど色々と自信が無くなってしまっていたのだけれど。。。
結局最後1周半ほど抜いたり抜かれたりしながら最終コーナーに突入。
イン側から攻めたが、イン側はぬかるみもあってよく落車しているライン。
とりあえずスリップせずコーナーを抜ける、、
さぬきクロスの4位はスプリントで差し返された苦い記憶があったので、勝つべく若干ラインを塞ぎながら最後のストレートへ。。。 
なんとかゴールは先着できて、チームメイトとのレースの中のレースに勝つことができ、しょうもない威厳を保つことができた。(実際は不明)
ゴール後に記念撮影。

ゴールしてみれば順位は25位と、64名出走から約40人ほど抜いて上がってきた様子。
ラップタイムも9:48、8:19、8:07、8:00、7:48と最終周に向かって全てタイムが早くなっていた。
もちろん後半になるにつれて渋滞が無くなるから走りやすくなるわけだけど、C2で3位に入った選手の最速ラップも7:40なので自分としてはかなり好感触。

野辺山のラップタイムが伸びてくるとは前回参加の時を思えば全くの予想外。
1年乗ってフレームの感触に慣れたっていうのもあるかも知れないし、自分の技術や経験が成長したのかも知れない。

どちらにせよ順位以上の手ごたえを感じることができた野辺山。
今回は走りの方にフォーカスしてしまったけれど、イベントとしてかなり濃い楽しいイベントであったことは一緒にいた人たちとは何も言わずとも共有できているのかなと思います。

苦手なオフロードを頑張ることは、自分の自転車全ての底上げにも繋がる。
そんな事を感じながら、僕の2015-2016シクロクロスシーズンの幕開けです。