2017年2月15日水曜日

ペダリングとポジションの関連性についての考察

今回は珍しく自分の日記ではなく他の人たちへ向けてのブログを書く。書きます。
ロードバイクに乗り続けて10年以上が経ち、ショップの人間として、レーサーとしてたくさんの自転車乗りを見てきた中で思ったことや見えてきたことを元に、少しまとめてみようと思った次第でした。
正直なところ本にして売りたいような気持は無きにしも非ずですが、科学的な研究でもないし、あくまで僕自身の経験を基にした内容なので信憑性は正直なところ不明。
本として出版したら手に取って読んでくれる人も少ないだろうし、先ずはブログで一発ブチ上げてみて反応をみつつ、少しでも参考になったら嬉しいなと思います。

 ペダリングとサドルポジションは切り離すことのできない関係

サドルの位置やペダリングについて答えがあるか?と問われれば、いろいろな所で言われているように答えはNO。それは何故か、体格も違えば身体の柔軟性も違う。そしてバイクも違うので求められる漕ぎ方が異なるのは必然的。研究する時間や費用があるのであれば、バイクのしなり方やホイールのしなり方を含めた自転車の推進を比べてみたいところです。


自然と漕ぎやすい状態を求める

ママチャリを卒業してロードバイクに乗り始めたとき、サドルの高さに驚いた人も少なくないはず。そしてサドルが高いことによってとても漕ぎやすいと感じた人もたくさんいると思います。
スクワットやレッグプレスをしたことがある人はイメージして欲しいのですが、足は屈伸が強すぎては力が入りにくいですよね。サドルが低すぎても漕ぎにくいし、高すぎても漕ぎにくい。
サドルの高さは後半に触れますが、まずは一気に本題に入ってサドルの前後位置について踏み込んでいってみたいと思います。

上の写真は関西でその名を広めている平地マン選手。
身長は178cmと日本人としてはまずまず高めですが、先日バイクを組ませてもらったことで足の長さは欧米人ほどではないということが分かりました。
ですが、そこそこ身長と股下の長さがあるおかげで気持ちよく踏めるポジションに収まっているなと思います。

パワーをかけやすいく、回しやすいのはとにかく前乗り

モガいたら自然とサドルの前に座っていますよね。そうでない人は恐らく太ももが長い人だと思います。
写真に線を入れてみました。赤色の線はヒザのライン、緑色の線はペダル軸のラインです。ペダルが一番先端の3時(向きが逆なので9時)の位置に来ている状態です。
色々なところで見たことがあると思いますが、ペダルより前にセッティングしろという記事。このヒザのペダル軸の位置関係こそが気持ちよく漕ぐひとつのポイントだと思っています。
非常に体重を乗せやすく、腰の位置関係も含めて足は回しやすいはずです。
特にタイムトライアルをしている人の写真を見るとわかりますが、極端に前に乗っているのがわかります。トラックなんかも似たような位置ですね。
バイクの安定を求めないのであれば、前に乗った方がとにかくパワーが出る上に綺麗にペダリングはしやすいのだと思います。 
漕ぎやすさに合わせてサドル位置を合わせすぎている人たち

サドルの位置をどうやって決めていますか?漕ぎやすい位置はこんなもんかな~とほとんどの人が適当だと思います。微調整して細かく拘っている人はたくさんいますが、明確な基準を把握している人はあまり見かけません。というか聞いたことはありません。

誰からも指導を受けなかった人たちがたくさんいます。
そんな人たちが陥るのはさっき挙げたような漕ぎやすいポジション。前乗り、サドル高めです。パワーは確かに出ていますが、ロードレースとなれば話は別で割と危険です。
集団内では協調が求められるのがロードレースで、不安定な走りは全てのレーサーにとって厄介な危険因子です。
そこで生まれてきたのはサドル後退量5cmルール(実業団を走る人は必須の学習項目)。シクロクロスを走っていて感じましたが、バイクは後ろ荷重で乗ってあげた方が真っすぐ走りやすいです。安定しやすいと表現しましょうか。
特にホビーレースではルールのしばりもなく、指導を受けたことのない人たちの巣窟です。バイクコントロールのスキルも低く、当然危険度が高いのは初級者~中級者のレースとなるわけです。更に、スキルに対して勝ちたいという気持ちが先行しているので無茶をして最終的にクラッシュというシーンは毎レースで見かけるものです。 
話をサドル後退量5cmに戻します。

足の長い平地マン以上の人たちにとって5cmはなんら問題のない長さです。対して足の短い人や身長の低いたちにとって、この5cmは致命的に険しい問題です。身体的特徴により(略)というルールの措置はありますが、基準があいまいなので今度確認したいなと思っています。

写真の選手は身長168cmぐらいの選手です。身長は適当ですがそのぐらいだったと思います。集団から飛び出てそこそこ踏んでいるタイミングです。当然のようにペダル軸と膝の位置がほぼ同じ位置まで来ていますね。これはもう人間の摂理と言えるほど、皆踏み込むときはこのように漕いでいます。

平地マン選手とは一つ違う点がありますね。それはサドルに座っている位置。赤丸で囲っている部分を見てもらうと分かりますが、サドルの先端に寄って座っています。
これはもう身体的特徴によるもので間違いない状況です。
太ももの長さが短ければ、その分ヒザを出すため前に座らなければいけない。けれどサドルの位置は後ろ気味につける必要がある。という経緯で起こる現象です。
(極端な話をすればサドル高を2~3cm下げてしまえば解消できる問題ですが、また別の問題も起こるのでそれはまたの機会に・・・。)

3時の位置で踏むことにクランク長が関係してくるのですが、長ければ長いほどサドルの前に乗ることを強要されるでしょう。そう考えると日本人は足の長さに対してクランク長が長すぎるように思います。クランク長を今まで使っていたものから変更することには慣れが必要ですが、適切に回すのであればショートクランクにすることは一般サイクリストにとって不都合はないように思います。クランクが短くなれば、無理な前乗りは減らせるという理屈です。

黄金角、150度
黄金角と呼ぶにはちょっと大層ですが、いろいろな人たちのフォームを見させてもらって見比べてきました。その中である程度の競技レベルで走れる人たちの多くはこの150度前後の角度で収まっている傾向がありました。
足が一番伸びきるポイントの下死点でヒザを中心とした角度です。
前半のレッグプレスの話ですが、伸びきるのに近い状態では4~8時までのペダリングにほとんど力はかかりません。
そこに力をかけないペダリングを極めれば話は別ですが、パイオニアが言っているペダリング効率を高めることに損はないでしょう。オーシンメトリックなどの楕円リングを使うとまた少し違ったペダリングにはなりますが。

※上の写真の選手のポジションはロードレーサーとしてはちょっとサドルが前めで高めな印象です。クリテリウム向けなセッティングでしょうか。
全体的な安定感も求めるのであれば、もう少し後ろ乗りにも対応できるサドル位置にしておくとベストかなと思いました。
サンプル選手その2のこの方も角度は150度程度のサドル高に収まっています。

少し難しいかもしれませんが、かかとの位置も重要です。足の150度の角度はほぼすべての人がなっている角度ですが、それを実現するためにカカトの位置が変動しています。
この写真の選手は綺麗なカカトの位置ですが、サドルが高すぎる人は下死点でカカトが上がっています。逆に下がっている人はサドルが低めなように思います。
こちらの選手はカカトが上がり気味なのでサドル高めのセッティングだと思います。それが悪いというわけではありません。
漕ぎやすいポジションを求めるだけではサドルを上げ気味になってしまう傾向があります。何故かと言われれば股関節や足首の柔軟性が一番のポイントで、関節を深く曲げれないため伸ばし気味のポジションが漕ぎやすいとなるわけです。

この選手は非常に綺麗なフォームです。股関節や足首の柔軟性がほどよくあって、ペダリングに無理がありません。
柔軟性が高いことによってサドル高は上げすぎずに済み、しっかりと座れるサドル位置が実現できています。できることなら多くの人にこのフォームに近いポジションを目指して欲しいと思っています。
サドルが高すぎることで骨盤が安定せず、パワーを出し切れていない選手はたくさんいます。体重を左右に振りながらパワーをかけていますが、馬力は長時間維持できていない人が多いでしょう。
更に、日本にはヒルクライムの人気があるため前乗り高めのポジションがマッチしやすい状況です。登りは良いが下りが良くない、そんな人はサドル位置の影響かもしれません。

結論、何が伝えたいか
速さを求めることはとにかく練習しかありません。どんな汚いフォームでも練習さえすれば速くなります。
ただ、パフォーマンスを最大限発揮したいのであれば、自分の力の出し方を把握することは大事だと思います。身体の使い方を頭で理解した方が絶対に良いはずです。
気持ち良いポジションで乗ることは必要なことですが、サドル位置の座り方で漕ぎ方がどう変わるかを把握することを一度経験して欲しいと思っています。

何も考えずにサドルの高さを下げたところで漕ぎにくいだけだと思います。そうではなくて、サドルの位置が変わった時にどうやって漕ぐと力が入るか、どうやって自転車が進むのか把握できるまで吟味しながら乗ってみて下さい。トップ選手はある程度どんなバイクに乗っても走らせ方を解っているのは自分の適切なポジションを把握しているからです。(レースでアシストのバイクに交換した際など)

楽なポジションについて何も考えずに求めてきた人は、一度どこまで後ろめ低めのポジションができるかチャレンジしてみてはどうでしょうか?
後ろ乗り、前乗りそれぞれの乗り方を把握できれば自分の中の走りの幅が広がるように思います。

終わりに
今回紹介した内容からズレている人はやはり無理のあるポジションで乗っていると思います。特にサドル高が影響させているサドル前後位置を理解している人はかなり少ないでしょう。
その辺りを踏まえてもう少し伝えたい部分はありますが、変えていきたいと思った人は直接相談して頂ければ答えられる範囲で答えていきたいと思います。
フィッティングを行う場合は、僕も時間が取られてしまうので無料というわけにはいかないと思いますが(汗)

写真:くりりんさん

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